人生初の登山は福岡県豊前市の求菩提山だ。
アウトドアに興味が無かった子供が登りたいと言って、子供の挑戦に付き合うつもりで登ることにした。
当初ハードルに感じたのは、登山未経験であること、土地勘が無かったこと、体力に自信がなかったこと。
無いものばかりだった。
どうにも見当がつかないので、よく分からぬまま豊前市役所に「登山未経験者でも登れる山ですか?」と問い合わせ「保育園児でも遠足で登るらしいですよ」と答えられたものの、登山口もイマイチ分からなかったし、とてもだけど自分たちだけでは登れそうにない。
不安過ぎて更に調べてネットで見つけたのが、豊前の史跡ガイドボランティアだった。
豊前の歴史と山愛好家の方々が、一緒に求菩提山に登ってくれるという。
連絡先は求菩提資料館のみだったので電話して相談すると、史跡ガイドボランティア担当という職員の方が応対してくれた。
結果、史跡ガイドボランティアの方が二名、山に慣れぬ親子の初の登山に同行してくれることとなった。
初めての求菩提山は、山中の鳥居、結界石、神社、鬼の石段と呼ばれる自然石を積み上げた階段など、見るもの全てが珍しく映った。
ガイドをしてくれた方のおかげで安心できたのか、体力に自信が無かった自分と子供でも、周回コースと呼ばれる鬼の石段を登って頂上まで行き、山頂からぐるっと「窟」と呼ばれる山伏たちが修行などで使ったという岩窟を巡る道で登山らしい道のりを歩くことができた。
思えばあれから自分の登山が始まり、今でも続いている。
ここ近年では仕事の取材での登山ばかりだったけど、あの何も考えず頭を空っぽにした状態で、ただ山中を歩く行為をしてみたいと思った。
(写真は2020年にSONY RX100M7で撮影↓)