
福岡県みやこ町の奥座敷とも言ってよいのでは、伊良原へ豊前市から車を走らせ40分。
農家レストラン「隠国の食 伊良原」で、ランチを楽しむためにだったが、ダム湖の横を通り、レストランに行くまでに気になっていたのは左側に見える赤い鳥居群だった。
赤い鳥居が印象的なその場所は「鳴滝不動尊」という看板が出ていたけれど、道路から見えるのは鳥居だけ。
帰宅後気になってGoogle検索してみたら、鳴滝不動尊に行った人のYouTubeを見つけた。
「思ったより怖い場所ではないかも…」と、ある晴れた休日に思い立ち、車を走らせ行ってみた。

「正一位 伏見稲荷」と書かれた赤い鳥居の先へ。
石段が続き、落ち葉がかなり積もっていたので、詣でる人は少ない場所なのかもしれない。


石段のすぐ横には川が流れて、先の方は滝になっていた。
サーッと滝を川を流れる水の音は、思いのほか爽やかだった。
この場所は英彦山の修験者たちが修行していた場所で、ダムができるまで伊良原の住民たちはかなり山道を登らなければ辿り着けない場所だったと、立ち寄ったレストランで働いていた地域おこし協力隊の女性から聞いた。
女性は伊良原の元住民だったそうだ。
彼女からは他にも伊良原の名所について教えてもらったり、伊良原に美しい薔薇を咲かせて特産品のジャムを作ったとも聞いた。
定期的に訪れたくなる伊良原エリアの先には、蛇渕の森キャンプ場や、今は通行止めだが英彦山に続く道がある。

鳴滝不動尊伝説
往時英彦山坊最も盛んなりし頃三千坊院の山伏達が年毎に寒三十日荒行の砌り、祓川の流れ添ひ皆尾の浜にて二日三夜の海水の行をなせリと言ふ、其の往路、此の瀧に立ち寄り氷水に打たれ身の汚れを清めたり
其の時に吹き鳴す法螺の音は遠近の谷に鳴り渡り、古来里人之を唱えて鳴滝と呼ぶ。
又或る時、諸国遍路の修験者此の瀧にて修業中、山賊に襲れ所持せる金銀を奪われ不慮の最后を遂げたりと言ふ謂れあり其の後、正午の刻に此の谷川の流れ紅けに染まり里人此の水を呑まず、此の謂れを聞きたる
三右衛門と言ふ誠に信仰の志し厚き人 一体の不動尊を瀧に安置し、無縁の霊を慰めたり。
其の後、家業日増し栄え、子々孫々家運隆盛になり以来遠近の善男善女の参詣の人、足繁く開運厄除け心願成就の霊験灼なり。
昭和三十四年十一月吉日 謹書
中村佳人 森下市太郎
七十二式
鳴滝不動尊の情報
〒824-0252 福岡県京都郡みやこ町犀川上伊良原
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